浜松市在住の50代美容師の女性にみられたアトピー症例と漢方や東洋医学での改善例

アトピー女性の改善例

はじめに

アトピー性皮膚炎はただの皮膚の病気ではありません。かゆみや痛みだけでなく、日常生活や仕事、人間関係にまで影響を及ぼし、精神的にも消耗をさせてしまう病気です。

今回ご紹介するのは、50代女性の美容師さんのケースです。


美容師というお仕事は、お客様を笑顔にする素敵な職業ですが、その裏側には常にカラー剤やパーマ液、シャンプー剤といった薬剤との接触があります。彼女の場合、その仕事環境と体質が複雑に絡み合い、長年苦しんでおいました。

「もう一生このかゆみと付き合うしかないのかな…」

「大好きな仕事だけど、辞めるという選択肢も考えている」

といったことを初回の相談では気持ちを明かしてくれました。
そんな諦めにも似た気持ちを抱えながら、それでも改善を信じて努力したアトピーへの向き合い方について書かせていただこうと思います!


目次

そもそもアトピーとは???

アトピーの2つのタイプ

まずは前提として、アトピーには大きく分けて外因性内因性の2種類があります。

外因性のアトピー

外因性とは、外部からの刺激によって炎症が起きるタイプのアトピーです。たとえば、洗剤や薬剤、染料などに繰り返し触れることで皮膚が炎症を起こし、強いかゆみにつながります。その痒みのまま掻き壊すことで皮膚のバリア機能はさらに低下し、また新たな炎症物質が体内に侵入しやすくなることで悪循環が生じます。

このタイプは特に以下のような職業の方に多く見られます。

  • 美容師
  • 主婦(洗剤や掃除用薬剤に日常的に触れる方)
  • 工場勤務や塗装業など、化学薬品を扱う職種の方

外因性アトピーの場合は、原因となる物質との接触を避ける工夫が治療の中心となります。加えて、炎症を抑えるためにステロイド外用薬を適切に使用し、かゆみを抑えて掻かないようにすることで改善していくことが可能です。

外因性の場合は、とにかく皮膚に炎症を起こしてしまっている元の原因物質を排除していくことが重要です。

アトピーに悩む男性のイラスト

内因性のアトピー

一方で、体の内側に原因があるタイプが内因性アトピーです。

食物アレルギーや重金属アレルギー、免疫異常、腸内環境の乱れなど、さまざまな要因が引き金となって炎症が生じます。

内因性アトピーでは、

  • 何が炎症を引き起こす要因になっているのかを突き止める
  • 原因となっている食品・飲料物を避ける
  • 排毒やデトックスなどで体内の不要物を排出する

といったアプローチが基本的な考え方となります。

ただし人によって何に対してアレルギー反応を起こすのか、本当に原因がたくさんあり、多岐に渡ってしまうため、個々に合ったケアを見極めることが治療の鍵になります。


症例の背景:アトピー発症と長い病院治療

患者さんは、50代の女性美容師さん

20代のころからずっと美容師一筋で働き続けてきました。アトピーの発症は3年ほど前、50歳を過ぎた頃でした。

最初は「手荒れがひどくなったのかな?」という程度だったそうでした。しかし最初のうちは美容師さんにとって手荒れは職業病のようなものだということで、多少のかゆみや赤みは「仕方ない」と我慢して過ごされていたそうです。

しかし症状は次第に悪化し、夜眠れないほどのかゆみや、朝起きたらシーツに血がついていたり、黄色い滲出液が付いてしまうということも増えていってしまったそうです。

また次第に、お客様の髪をシャンプーするときにもかゆみを感じるようになり、無意識に手をかいてしまう。その姿を見られるのが恥ずかしくて、仕事中は常に気を張っていたそうです。ビニールの手袋を着け、直接触れないようにしていても、髪を切る時は手袋を外さないといけないので、細かな刺激にも反応をしてしまうようになってしまったとのことでした。

「大好きな仕事を続けたい。でも、この手ではもう無理かもしれない…」
そんな不安が頭をよぎるようになり、気持ちまでどんどん沈んでいったと最初の問診の時におっしゃっていました。


病院での治療と挫折

発症から2年間、悪化の方向に少しずつ向かっていることを自分の中で認識を持ちながらも、彼女は病院に通いステロイド治療を続けていました。

ステロイドを塗ることで確かに一時的にはかゆみや赤みが引くものの、薬をやめるとすぐに再発。

最初のうちは疑問なく使っていたようですが、だんだんと使っていくうちに本人もステロイドの長期使用については疑問を持ち始めたようで、なるべく使わないようにしていたそうです。しかし、炎症がひどくなると仕事に影響が出てしまうため、塗って炎症を抑えて、騙し騙し仕事をしていたそうでした。

ただ、やはり彼女自身も、この薬は根本治療ではなく、あくまで表面的な症状を抑えていることに気づいていたこともあり

「薬を塗っても良くならない。むしろ悪くなっている気がする」

などといったそんな思いが募り、ついには治療を続ける意味を見出せず、軟膏を貰いに通院することをやめて、漢方や東洋医学の方へ治療法を模索していったそうです。


当店への来店と問診

「体質から改善しないとダメだと思って・・・」

そうして当店に来店されたのが、やっと発症から3年目のことでした。
初回の問診で、これまでの経過について話してくださいました。

やはり美容師さんという職業柄、手荒れは避けられないと思っていだけど、どうにかしたいということで相談を受けました。

カラー剤やシャンプーを使うとやはり一時的に悪化するため、原因であるということは本人も体験的に知っていたため、仲の良いお客さんには湯シャンでもいいか聞いてやっていたり、お客さんにも理解をしてもらいながら仕事をされていたそうです。

彼女の話を聞いていると、始めは外からの刺激による、外因性のアトピーの要素が強く、外からのものかなと思っていたのですが

さらに詳しく生活習慣について伺うと、普段からパン、ケーキ、焼き菓子などの小麦製品やヨーグルトなどの乳製品、ラーメンなどもご家族の方と好んで食べていることや、複数回のワクチン接種歴もあることが分かりました。

ここから、外因性だけでなく、内因性アトピーの要素も関与していると判断をさせてもらいました。

ですので、この美容師さんの場合、始めのうちは薬剤に反応した軽い手荒れから発展した外因性のアトピーだったのですが、だんだんと内側の老廃物やアレルゲンなども増えていった結果、すでに手荒れとして存在していた排泄口(手)からドンドン体の中に溜まった毒を出すため、内因性のアトピーも加わり合併型のアトピーへ発展していったということが考えられます。


方針の決定と改善への道

2025年7月24日、彼女のアトピー改善プログラムということで、いろいろと作戦を練って漢方の処方を始めさせていただきました。

行った対策としては・・・

外因性への対策

  • 手袋の使用を徹底し、直接薬剤に触れない工夫をすること
  • どの薬剤で強く反応するかを記録してもらい、炎症物質や原因を特定すること
  • サロン内を頻回に換気することで揮発性の化学物質の吸入による反応を軽減すること

内因性への対策

  • 小麦・乳製品・砂糖・揚げ物の食事制限
  • 腸内環境を整えるためのサプリと栄養改善
  • 重金属やワクチンの影響を考慮したデトックス処方

もちろん処方を考える上で、体質の上での質問や、波動機器を使った体質チェックを行ったり、この処方を決めるためにもかなり時間をかけ、最大限の効果を発揮していけるように全力で考えていきました。


処方を初めてすぐに急に炎症が・・・

作戦開始からわずか3日ほどで、過去最大級に痒くなってしまったということで夜中に連絡がありました。

事前に、アトピーを治療する上で、体の中に溜まってしまった毒を追い出していくために一時的に痒みが増したり、炎症がひどくなったりすることはお伝えしていましたが、予想以上に痒くなってきてしまったとのことで驚かれてしまい、「この痒みがいつまで続くの?」というように半分クレームのうような勢いで連絡をいただき、お店に来られました。

これだけ痒みがあったら仕事もままならないということで、痒みを抑えて欲しいということで要望をいただきました。

一時的な痒みを抑えるということで、とにかく炎症を鎮めていかなければいけないということで、一時的に炎症や痒みを強力に鎮める健康食品と漢方で抑えることにしました。

その時の写真が以下の通りです。

この処方を出してから2日でとりあえず辛い痒みを抑えることはできましたが、まだ気を抜かないでくださいねということでお伝えしました。

その後、しばらく痒みを漢方で抑えながら排毒を促し、デトックスをどんどん続けてしっかり継続を続けるうちに痒みがかなり治ってきたとの報告がありました。

その時の写真です。

そして処方を初めてからしばらくして、まず「夜眠れるようになった」とのことでお喜びの声を聞くことができました。今まで痒みで睡眠の質が悪かったところ、痒みに邪魔されずに眠れるようになると気持ちにも余裕が生まれ、笑顔が増えてきて、相談にくるのも楽しくなってきたとのことでした。

その後も定期的に薬を変えながら、デトックスをどんどん行っていくことで

1か月後には、手の赤みや腫れが明らかに軽減。美容室のお客さんからも「最近、手きれいになったね」と声をかけられることが増え、旦那さんにも「見て見て!」と毎日自慢するようになったそうです!

そして処方開始から2ヶ月ほどで撮影した写真では、まるで別人のようにすべすべとした肌が映っていました。

ここまで治ってくれば、あとはお薬やデトックスはひと段落にして、最終的には食事の方でしっかりと維持ができていけるように気を抜かずに頑張ってねということでアトピーについてはひと段落になりました。

かなりスピード感のある症例でした。


本人の気づきと努力

改善の背景には、彼女自身の努力がありました。

  • 「今日はパンを娘と一緒にお出かけした時に食べてしまったら、翌日こんなにかゆみが出た」
  • 「このカラー剤はダメ。でもこっちは大丈夫だった」

そんなふうに、体の反応を丁寧に観察し、生活の中で工夫を重ねていきました。

彼女はこう語っていました。

「自分の体って正直なんですね。食べ物ひとつでこんなに違うんだって、初めて実感しました」


改善後の笑顔

ある程度体自体が改善した後も、定期的にお店には来てくれており、彼女はとても明るい笑顔でこう話してくれました。

「これからも仕事は続けたいんです。でも、もう無理に我慢するんじゃなくて、私なりに工夫していけば大丈夫だって思えるようになりました」

大好きな美容師という仕事を続けながら、自分の体ともうまく付き合っていく。そんな未来をイメージできるようになったのです。

悪化原因をしっかりと腑に落とし、改善の方法までしっかりとご理解されたので、今後大きなリバウンドが起きることは無いように感じています。ここまでが僕の考えるアトピーの最終ゴールと思っています。食事を楽しむ時は楽しむ時で割り切って少しジャンクなものを食べるけど、普段の食事はなるべく炎症を起こさせないような、米や味噌などがメインの食事をとって頂きながらメリハリのある生活スタイルを手にしてもらえるように今後も注意をしてもらおうと思っています。


まとめ

この症例から分かることは、アトピーは決して「ただの皮膚の炎症」ではないということです。仕事や食生活、体質や環境、そして本人の心の状態まで、すべてが影響し合っています。

外因性と内因性の両面に向き合い、患者さん自身が体のサインを理解していくことで、改善は必ず可能です。

「もう治らない」と諦めかけていた彼女が、再び笑顔を取り戻した姿は、私たちにとっても大きな励みとなりました。

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